確定給付企業年金法施行規則が改正されました。(2012/1/31)
昨年7月14日および10月6日に、厚生労働省は厚生年金基金、確定給付企業年金に関する
パブリックコメントを募集いたしましたが、同内容に基づき、厚生労働省令が改正されました。
主な内容は以下の通りです。
1.制度設計に関する事項
① 脱退一時金(年金資格者)の限度額の緩和
これまでは実質的に、退職金からの移行の場合、繰下利率を下限予定利率以上とする
必要がありましたが、繰下利率を0とすることも可能となります。
② 選択一時金の限度額の緩和
老齢給付金の受給開始後に下限予定利率が上昇した場合、元々の一時金相当額を
選択一時金として受給できないケースがありましたが、これが解消されます。
2.掛金に関する事項
① 過去勤務債務償却方法の追加
従来の定率償却、定額償却、弾力償却に加えて、段階的引上げによる償却を追加します。
この場合、定期的かつ後加重とならないよう5年以内に段階的に掛金を引上げます。
② 掛金引上げの猶予措置の延長
平成24年3月31日までの掛金引上げの猶予措置を1年間延長します。
3.非継続基準による財政検証
① 積立水準の経過措置
平成25年3月30日までの決算(以下を満たせば追加拠出不要)
直前の積立比率:0.8以上
過去3年の内2年以上:0.9以上
上記を毎年、0.02づつ引上げ
平成29年3月30日以降の決算では、
直前の積立比率:0.9以上
過去3年の内2年以上:1.0以上
② 積立水準の回復計画による方法は、平成30年3月30日までの間とし、回復期間は
7年以内となります。また、前提条件についても見直しが行われています。
③ 特例掛金算定時の資産額
これまでは数理的評価額(平滑化した資産)を使用できましたが、時価資産のみとなります。
4.その他
申請書類の簡素化等が行われています。
公布日より施行されますが、非継続基準に関する事項は平成24年4月1日施行となります。
上記の他、通知による改定も実施される見込みです。