厚生年金基金制度の在り方に関する専門委員会意見案
2月1日、社会保障審議会年金部会「厚生年金基金制度の在り方に関する専門委員会」において、意見案が取りまとめられました。今後は、意見案を確定し年金部会への報告を行い、成案が得られれば今期通常国会への法案提出を目指すこととなります。
以下、厚生労働省が提出した素案に対する意見案(赤字)
○ 厚生年金基金制度の段階的廃止
・代行割れ基金
5年以内に特例解散制度により解散
・代行割れしていない基金
10年以内に解散または代行返上
この場合、5年経過後は将来分の代行はなくなる
⇒ 妥当である。
(健全な基金について一律に廃止しなくてもよいのでは、という意見もあった。ただしこの場
合でも、厚生年金本体に二度とリスクを負わせないような仕組みが必要)
○ 最低責任準備金の見直し(全基金を対象)
・最低責任準備金の算定において、元本減少額を平成17年4月以降見直し
代行給付費×0.875 ⇒ 代行給付費×[0.69(65歳未満)、0.96(65歳~75歳未満)、
1.0(75歳 以上)]
・期ずれの解消
厚生年金本体の利回りが確定していない期間は、ベンチマークによる推計値を使用
⇒ 妥当である。
○ 解散要件の緩和(全基金を対象)
・解散理由の撤廃
・代議員会議決、事業主、加入員の同意
4分の3 ⇒ 3分の2
⇒ 妥当である。
○ 特例解散制度の見直し(施行日から5年以内)
・特例制度、新特例制度の適用について
第三者委員会で審査する
・特例制度
従来と同様に、納付額及び分割納付についての特例措置を継続。ただし、分割納付につ
いては連帯債務および利息の見直しを行う
⇒ 以上、妥当である。現行特例先への遡及適用も論点となる。
・新特例制度
分割納付期間を延長する案と負担上限額を設ける案で今後検討
⇒ 現行特例制度の拡大措置は講ずるべきではない。講ずる場合でも納付期間の延長に留
めるべき。
○ 企業年金選択肢の多様化
・実績分配型CBの導入
ただし、全加入期間を通算して利息相当額は0以上
⇒選択肢の多様化という点では方向性は妥当。
・集団型DCの導入
企業単位で運用方針、運用商品を選定できる
この場合、投資教育は不要
⇒創設には反対。